うちのおかんは、自己評価が低い。
こんばんわ。うおやあずさです。
連載コラム「うちのおかんは、こじらせ女子」
エピソード2を書いていきます。
エピソード1はこちらから
前回の記事でも書いたけど
私は幼少期におかんに褒められた記憶があまりない。
6年続けた習い事の全国大会で準優勝した時も
褒めてくれたのはどちらかというと父だった。
(ような気がする)
おかんはいつも自分を過小評価する人だった。
「私なんかいいのよ」「私は行かない」
「私は一番安いやつでいい」
とかそんな発言ばかりだった。
面白い話を叔母から聞いた事があって
おかんと叔母(おかんの妹)は
昔から久保田利伸が好きなんだけど
私と兄が小さいとき
久保田利伸のライブがあって
行きたいけど子供がいるからと
飽きらめていたところ
叔母が「なに言ってんの!預けて行くんだよ!」と
言って祖母に私たちを預けて
戸惑うおかんを叔母がライブに連れ出したことがあるらしい笑
うちの叔母はまぁまぁ気が強いが
(社長やるくらいだからまぁまぁというか結構?)
それに比べてうちのおかんは
謙遜が強く、弱気な人だった。
なぜそんなに自分の事を謙遜するのか
なぜそんなに自分を下げるのか
私にはわからなかった。
わからなかったし
私はそうはなりたくないと強く思った。
だからおかんと真逆のような性格になった。笑
謙遜する人は大和撫子のようで
美しく見えるのかもしれないけど
私からみたら自分の本音を
抑えてるようにしか見えなくて
自分に嘘をついていて
なんでなの!と苛立ちすら覚えた。
私が大人になって社会人になり
実家を出て一人暮らしを始めた時から
物理的距離が出来て必然的に
おかんと接することは減ったんだけど
たまに一緒に食事したり
買い物に行ったりすると
やっぱりおかんの謙遜が気になった。
売り場で安い服を買おうとしたり
おばさんくさい靴を買おうとするおかんを見ると
私はいつも注意していた。
「なんでいつもそんななの!」
「もっと良いもの買いなさい」
「もっとちゃんとした服買いなよ」
「やりたい事やるんだよっ!」
強気な私に対しておかんは
「え〜」「だって〜」とか
「だっておばさんだもん」
とかいう。
私がおかんと会って
おかんの発言や行動が気になる時は
何度かそういった指摘をするようにした。
そしたら実家に帰ったある日
変化があった。
今までに見た事ないような
ちょっとオシャレでちゃんとしたカバンが
部屋の隅に置いてあったのだ。
(今まではイトーヨーカドーに売ってそうなカバンだったのが
ちょっと洒落たブティックとかに売ってそうなカバンになった)
これどうしたの?と顔を向けずにおかんに聞くと
「最近買ったの。ちょっと高かったんだけどね」
と顔を見なくてもわかる
少し嬉しそうな声が返ってきた。
なんだ、おかん。
やれば出来るやん(何様w)
こうやっておかんは少しずつ
自分にお金をかけたり
またライブで遠征をしたりするようになり
(前は遠征にまでお金は使わなかった)
自分を大切に扱うようになっていった。
自尊心が低い人は自己評価が低く
自分を低く見積もるので
自分の欲求や可能性を抑えてしまったり
パートナーや仕事でのお給料においても
もっと望んでもいいのに
ものすごい見当違いに悪かったり、少なかったりする。
そして我慢するのが当然で
叶わないのが当然だと思い込んでいる。
自尊心が低い人は自己評価が低いから
自分に厳しくて知らないうちに
相手にも厳しくなってる事も多い。
(特に身内や身内に近い人に対して)
自分の基準が厳しいから
相手にも自然と同じものを求めてしまうんだと思う。
こじらせ女子だったおかんが
60前後にしてやっと
自分の欲求を自分で叶えられる
ようになっていって、ほんとよかったなぁと思っている。
だけどこれは、私が一人暮らしをはじめて
私が大人になってからの話。
それまではおかんがこじらせ女子だった事で
私にも”こじらせ”の影響があったのだ。
続く・・・